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ポータブルスキルとは?
ポータブルスキルとは、どのような業種や職種でも活用できる「持ち運び可能な能力」のことを指します。例えばコミュニケーションスキルや課題分析能力などはどのような仕事でも活用できるものであり、ポータブルスキルであるといえます。
ポータブルスキルの反対の言葉として「テクニカルスキル」が挙げられます。テクニカルスキルは特定の業務遂行に必要な専門的なスキルのことです。会計やプログラミングなどの専門性の高いスキルはテクニカルスキルといえます。
終身雇用の崩壊やコロナウイルスの影響で特定の企業や職種で働き続けるのが難しくなっています。そのため、どのような業種や職種でも活用できるポータブルスキルが注目を集めています。
ポータブルスキルの具体例の一覧を紹介!
ここでは、ポータブルスキルの具体例を紹介します。

厚生労働省によるとポータブルスキルは「仕事のし方」「人との関わり方」からなるとされています。
「仕事のし方」は「課題を明らかにする」「計画を立てる」「実行する」など業務をおこなうために必要なスキルの項目が設定されています。「人との関わり方」は「社内対応」「社外対応」「部下マネジメント」などコミュニケーションや教育に関する項目が設定されています。
これらのポータブルスキルを身につければ、どのような職種でも活躍していけるでしょう。
従業員がポータブルスキルを習得するメリットは?
ここでは、従業員がポータブルスキルを習得するメリットを解説します。
業務の質・効率が向上する
ポータブルスキルには、コミュニケーション能力や課題解決力など業務に役立つスキルがたくさん含まれています。例えば、課題分析力を磨き業務に望めば、より高い解像度で課題を認識できるので質の高い課題解決策を提案できるでしょう。
このように、業務に役立つポータブルスキルを習得すれば業務の質や効率の向上につながります。
どのようなポジションでも活躍できる
ポータブルスキルはどの業務でも役立つスキルなので、ポータブルスキルを身に着けている従業員はどのようなポジションになっても活躍できるでしょう。配属や転職によって必要なスキルが変わっても、社会人として基礎的なポータブルスキルを活かせばどこでも活躍できます。
転職に活きる
転職の際は専門的なスキルだけでなく、人柄やポータブルスキルも評価されます。専門性の高いスキルを持っていても、人との関わり方に問題があると判断されると採用が見送られてしまいます。そのため、転職を成功させるためにもポータブルスキルは重要です。
企業がポータブルスキルを活用するメリットは?
ここでは、企業がポータブルスキルを活用するメリットを解説します。
採用の質が上がる
採用活動でポータブルスキルに着目すれば採用の質の向上につながります。採用には人材のスキルや経験も重要ですが、コミュニケーション能力や課題解決力などポータブルスキルも大切です。
どれだけスキルや経験が豊富でも、協調性が低いなどの問題があると入社後のパフォーマンスが期待できません。一方、スキルや経験が不足していても、ポータブルスキルが十分にあれば入社後の成長が期待できるので、ポータブルスキルが高い人材を採用したほうがよい場合があります。
人事評価に役立つ
ポータブルスキルは人事評価にも役立ちます。人事評価では結果が重要視されることもありますが、結果に至るまでの過程も重要です。例えばチーム内の対立を治めた人や課題発見能力に長けた人などは結果だけでは見えませんが、評価すべき人材です。
そのため。ポータブルスキルを評価項目に入れることでより精度の高い人事評価をおこなえます。
適切な人材配置ができる
チームで仕事をする際はメンバーのスキルだけでなく、リーダーシップやマネジメント力などのポータブルスキルも重要です。メンバーのポータブルスキルに着目すれば、より成果の出やすい人材配置ができるでしょう。
ポータブルスキルの鍛え方は?
ここでは、ポータブルスキルの鍛え方を従業員個人の取り組みと企業の取り組みに分けて解説します。
従業員個人の取り組み
まず、従業員個人のポータブルスキルの取り組みを紹介します。
・鍛えるスキルを意識しながら働く
ポータブルスキルは勉強だけでなく、日々の仕事のなかで実践していくことで身についていきます。そのため、鍛えるスキルを意識しながら働けばポータブルスキルを鍛えていきます。
・本やインターネットで知識をインプットする
本やインターネットで知識をインプットするのも重要です。ポータブルスキルは抽象的な面がありなんとなくやっている人も多いでしょう。そこで、本など他人が言語化したものを見れば、自分の中に具体的なスキルとして落とし込んでいけます。
以下のようなポータブルスキルを網羅的にまとめた本や一分野に特化した本など、ポータブルスキルを学べるさまざまな本が出版されています。ご自身の知りたいことや伸ばしたいスキルにあわせて、手にとってみてください。

「人材育成コンサルタントが本気で考えた 全員転職時代のポータブルスキル大全」著者:HRインスティテュート
人財育成コンサルタント会社HRインスティテュートが、コンサルを経て集めたどこでも活躍するための104のポータブルスキルをまとめた本です。コンサルタントの実務経験に基づいた本で、実践的なポータブルスキルを網羅的に身につけるのに最適な1冊です。

「お前の言うことはわけがわからん! と言わせないロジカルな話し方超入門」著者:別所 栄吾
ポータブルスキルの1つの、論理的思考力な話し方についてまとめられている本です。図解とともに解説されており、読みやすい構成になっています。超入門と書名にあるように、わかりやすく論理的思考力を学べるのではじめの1冊におすすめです。
企業の取り組み
次に企業が従業員のポータブルスキルを鍛えるための取り組みを紹介します。
・研修の実施
取り組みの1つが研修の実施です。社内研修や社外研修を通して従業員のポータブルスキルを鍛えましょう。研修をおこないポータブルスキルの重要性を従業員が認識すれば、個人学習への発展も期待できます。
実際に以下のような、ポータブルスキルの研修サービスが多数存在します。社内研修の制度が整っていない場合や、個人で受講したい場合におすすめです。

上記画像は、株式会社インソースが提供している、個人向けのポータブルスキル研修プログラムのものです。ビジネスマナー研修やロジカルシンキング研修、リーダーシップ研修などさまざまな研修プログラムがあります。
・目標管理制度や評価制度を整える
目標管理制度や評価制度を整えるのも重要です。これらの制度をポータブルスキルを重視したものにすれば、従業員もポータブルスキルを意識するようになり、ポータブルスキルの能力向上につながります。
まとめ
いかがでしたでしょうか。ポータブルスキルについて解説してきました。雇用が不安定な現代で、どのような職種でも活用できるポータブルスキルはとても大切なスキルです。ぜひ一度、自身のポータブルスキルを見つめ直してみてください。