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インターンシップとは?
インターンシップとは学生が企業に行っておこなわれる就業体験のことです。2021年4月には経団連がインターンシップは「企業で実務を体験すること」と定義づけました。
企業側は採用の参考や就活生に企業理解を深めてもらうために実施します。学生が参加する理由は、企業・業界への理解を深めるため、自分のやりたいことを見つけるためなどが挙げられます。
株式会社マイナビがおこなった「マイナビ 2022年卒 大学生インターンシップ・就職活動準備実態調査」では、79.8%の人がインターンシップの参加経験があると答えました。このようにインターンシップは就職活動準備に一般的な傾向にあります。
では、企業側はインターンシップを開催すべきなのでしょうか?この記事では企業側のメリット・デメリットについて紹介します。
インターンシップの種類
「短期インターンシップ」と「長期インターンシップ」の2種類のインターンシップについて紹介します。
短期インターンシップ
短期インターンシップとは1日〜数週間程度の期間でおこなわれるものです。主にセミナー型とプロジェクト型の2種類が存在します。
セミナー型
セミナー型インターンシップとは企業の説明を主としたものです。社員との座談会などが開かれるケースもあります。
1日でおこなわれるものが多く学生が参加しやすいというメリットがあります。多くの学生から企業について知ってもらうには有効な手段です。
ただ、先程述べたように経団連の定義ではインターンシップとは「企業で実務を体験すること」です。セミナー型のインターンシップはインターンシップと呼べない場合があるので注意が必要です。
プロジェクト型
プロジェクト型インターンシップとはグループディスカッションなどを主としたものです。学生が与えられた課題に対してディスカッションをおこない、発表するというものです。期間は数日程度のものから数週間に渡っておこなわれるものもあります。
企業は学生が実際に人と関わり課題と向き合っていく姿をみることができます。そのため、選考の参考にするケースが多いです。
長期インターンシップ
長期インターンシップは、長いものでは数年に渡っておこなわれるもので主に大学1年〜大学3年生を対象におこなわれます。学生は補助的な業務から社員と同等の仕事をおこないます。
学生は働くために必要なスキルや働くイメージを養うことができます。企業は学生に成長の場を提供することや、即戦力の確保を目的としておこないます。
多様なインターンシップがあることがおわかりいただけたでしょうか。就活サイトをみてどのようなインターンシップが開催されているのか見るのも参考になります。
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また、本サイトでは特徴的な面白いインターンシップを紹介しています。こちらもぜひ参考にしください。
インターンシップに給料は支払う?
インターンシップに給料は支払うべきでしょうか?ここではインターンシップの給料について解説します。
法律上、「労働者」と見なされるケースは給料が発生
インターン生が労働基準法第9条の「労働者」に該当する場合には給料を支払う必要があります。インターン生が事業に関わり企業が利益・効果を得ていること、企業とインターン生の間に使用従属関係がある場合には「労働者」に該当します。
実際に業務に従事する長期インターンシップでは、給料を支払う必要があります。また、短期インターンシップでも給料を支払わなければならない場合があるので注意が必要です。
相場はどの程度?
給料は時給で支払われることが多く、相場は1000円前後といわれています。各自治体の最低賃金を下回らないように注意しましょう。
給料を支払うメリットは?
インターンシップが労働とみなされない場合でも給料を支払う企業もあります。なぜ給料を支払うのでしょうか?給料を支払うことによるメリットを2つ紹介します。
学生が責任感を持ってくれる
給料が支払われることで仕事に対して責任感を持つことが期待できます。より主体的な参加や、責任感を持ってもらいたい場合には「労働者」に該当しなくても給料を支払うとよいでしょう。
応募者の増加が期待できる
学生にとって有給のインターンシップは魅力的です。さらに居住地が遠く、滞在費や交通費で参加を諦めていた応募者を確保することもできます。
企業がインターンシップを開くメリットは?
ここでは企業がインターンシップを開くメリットを4つ紹介します。
企業認知につながる
インターンシップを開くことで企業の認知につながります。実際にインターン生と関わることができるので、企業説明会だけでは伝わらない魅力を伝えることができます。
学生とのミスマッチを防ぐ
株式会社パーソル総合研究所の調査では、インターンシップ参加者の3年以内の離職率が16.5%に対し、非参加者は34.1%でした。インターシップを開くことで、企業のイメージをしっかりと持ち、自分に合うと判断した学生の応募を増やすことができます。
優秀な学生と関わりを持てる
最後のメリットは優秀な学生と関わりを持てることです。経団連の方針変更により、就職活動の選考が早期化しています。また、就活市場が学生有利の売り手市場になっています。そのため、企業はより積極的に学生と接点を作る必要があります。学生としっかり関わることのできるインターンシップの重要度は増しているといえます。
また、株式会社パーソル総合研究所の調査では、インターンシップ参加者の入社後のパフォーマンスが非参加者よりも高いという結果も出ています。
新卒学生の獲得につながる
ここまで紹介したメリットを含めインターンシップの開催は採用につながります。株式会社パーソル総合研究所の調査では、インターンシップ参加後、その企業への入社志望度が上がった参加者は60.9%でした。志望度を高める要因には、社員が優秀だと感じたことや就職活動の支援をおこなってくれたことなどが挙げられます。
三菱電機株式会社はインターンシップ開催したことで、採用母集団形成に寄与したとしています。採用直結ではないもののインターンシップ参加者の約4割が実際に入社しているそうです。
インターンシップのデメリットは?
企業がインターンシップを開くデメリットを紹介します。
通常業務に支障が出る
インターン生の教育など、人員を割く必要があり通常業務に支障をきたしてしまいます。社員に大きな負担を与えない計画の作成が大切です。
一方で、若い社員にマネジメントを経験させるいい機会になるというメリットもあります。
コストがかかる
インターンシップを開催するには多くのコストがかかります。例えば、広告費、人件費、会場費などです。インターンシップを開催する目的をしっかりと定め、無駄を省いていくことが重要です。
企業にネガティブなイメージを持たれる
インターンシップの内容次第では、企業イメージを損なう場合があるので注意が必要です。ネガティブな印象をあたえる要素には、企業の表面上の情報しか得られなかったことや、スキルや知識が身につかなかったことなどがあります。インターシップを開催する場合は、学生に満足してもらえるコンテンツであるかをしっかり検討する必要があります。
まとめ
いかがでしたでしょうか。インターンシップについて企業側のメリット・デメリットを紹介しました。就職活動事情からインターンシップは注目されています。またコロナ禍ということもあり、オンラインインターンシップも拡大しています。ぜひ一度目的にあったインターンシップを検討してみてください。