目次
就活ルールとは?
今回は、経団連が提示している就活ルールを紹介していきます。
「就活ルール」とは経団連の会員である企業が採用活動に関して守るべきルールのことです。
現在、経団連が提示しているルールは以下の5点になります。
1.公平・公正な採用の徹底
男女雇用機会均等法、雇用対策法及び若者雇用促進法に沿った採用選考活動を行い、学生の自由な就職活動を妨げる行為は一切行わない
2.正常な学校教育と学習環境の確保
社会に貢献できる人材を育成・輩出する高等教育の趣旨を踏まえ、採用選考活動にあたり、正常な学校教育と学習環境確保に協力し大学の学事日程を尊重する
3.採用選考活動開始時期
学生が本業である学業に専念する時間の確保のため、採用活動の開始時期は以下で行うこと
広報活動 : 卒業・修了年度に入る直前の3月1日以降
選考活動 : 卒業・修了年度の6月1日以降
4.採用内定日の遵守
正式な内定日は、卒業・修了年度の10月1日以降とする
5.多様な採用選考機会への提供
留学経験者に対して配慮するように努める
詳細:日本経済団体連合会
2022卒の就活ルールは?
政府は2022年卒まで、今まで通りのルールを維持する方針を定めています。
2023卒はどうなる?
新型コロナウィルスの影響から、安心して就職活動を行える環境設備が必要であるとして、2023年に入社する学生の採用面接時期を今まで通り大学4年の6月以降にすると決めました。
廃止はいつから?
それまであった経団連による就活ルールは少なくとも22年卒までは現状維持になります。それ以降の23年卒も同じく現状維持を保つ可能性が高いです。
廃止以降は経団連に代わり政府が行い、学生が安心して学業に集中して取り組める環境を重視する新ルール作りを主導をすると決定しました。
就活ルールを守らない企業も…
基本的には、経団連の就活ルールには法的決まりがなく罰則がないので、早期に優秀な人材の囲い込みや面談と称して事実上の選考を始めたり、インターン生から引き抜きを行うためルールを守らない企業が多いのが現状です。
廃止になる理由
経済の流れや働き方の変化に合わせた採用活動を行い、企業同士の競争力を高める狙いがあります。また、終身雇用を前提に新卒者を一括採用するという日本特有の雇用形態が時代にそぐわないことも挙げられます。
こういった就活ルールが形骸化していたことが廃止の理由に挙げられます。
就活のスケジュールはどうなる?
ここでは今後の就活スケジュールの変化について説明していきます。
例年通りの就職活動は、大学3年生の3月に企業説明会が始まり、大学の4年生の6月から先行を開始するというのがこれまでのスケジュールでした。しかし、就活ルールが廃止され、通年採用が主流になると大学1年生2年生のような早い段階で就職活動を行うことが可能になっていきます。中には、大学1年生からインターンシップの参加を募集する企業もあり、優秀な人材の囲い込みなどが見られます。
就活ルール廃止によるメリット
ここでは就活ルール廃止によるメリットを紹介していきます。
早期に内定がもらえるチャンスがある
企業が通年採用を実施すれば、年間を通じて多くの企業にエントリーすることができ、時間に縛られない有意義な就職活動が行える可能性があります。
通年採用でない場合、受けたい企業の選考が被ってしまいどちらかを断念しなければならない可能性もあります。ルール廃止により参加できる企業が多くなると考えれます。
自由な時間が増える
通年採用を実施し早期に内定がもらえると、入社までの期間自分の自由な時間が増えます。その間、資格の取得やインターンシップへの参加・海外へ留学に行くなど自分のスキルをアップさせることもできるでしょう。
インターンシップに参加しやすくなる
最近では、インターンシップを前倒しする企業が増えており、大学3年生の6月頃から行う学生が増えてきています。早期の内定が決まってしまえば、残りの自由な時間を様々な職種のインターンシップに参加し、経験値を増やすことも可能になります。
就活ルール廃止によるデメリット
ここでは就活ルール廃止によるデメリットを紹介していきます。
学業への支障
これまでは就職活動にある程度の目安があったため、学業と就職活動の両立が取れていましたが就活ルール廃止によって、この均衡が崩れてしまうのではないかといった懸念の声が挙げられています。
例えば、大学1年生や2年生から長期インターンシップに参加しすぎで学業の単位取得が困難になってしまう可能性があります。
就職活動の長期化
就職活動が必ずしも早期に決まることはありません。長い人だと卒業のギリギリまで就職活動を行うこともありえます。長引けば長引くほどサークル活動やアルバイトといった大学生ならではの貴重な時間が減ってしまう可能性があります。
まとめ
いかがでしたでしょうか。今回は就職ルールの廃止がもたらすメリット・デメリットや今後のスケジュールなどを紹介しました。
メリットでは早期の内定がもらえ、それにより様々なインターンシップに参加できるといった利点があります。一方で、就職活動に集中しすぎて、学生の本業である学業が疎かになってしまう点も挙げられます。
政府は、学生が学業に集中できる環境作りを軸に新しい就活ルールを考えることが重要になるでしょう。