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都心とは勝手の違うUターン就職、どう準備する?
少子高齢化による人口の減少など、深刻な労働人口不足を背景に、超売り手市場が続いているといわれる就職活動の現場ですが、理想の職場を目指す方にとって気の抜けない日々があることに変わりはありません。
働き方に対する考え方や人生設計・ライフスタイルも変化し、都心企業への就職ではなく、Uターンで地元地方企業への就職を考えている方もあるでしょう。
学んだことを愛着のある地元で活かしたい、都心の生活環境は合わない、家庭の事情など戻らねばならない理由がある、などUターン就職を選択する理由はさまざまですが、Uターンの就活では、周囲の多くが行っている都心での就活にはない特色、知っておきたいコツや注意点があります。
そこで今回はUターン就職にスポットをあて、成功のコツをご紹介します。
「Uターン就活」とは?
まず「Uターン就活」の定義を確認のためさらっておくと、地方出身者が生まれ育った地域とは別のエリア、主に大都市圏などにある大学へと進学し、卒業後、再び出身地の地元へと戻り就職を目指すことをいいます。
地元企業に就職する場合もありますし、都心に拠点を置き全国採用を行う企業が地方に配置した支社・工場などの組織に務める場合もあります。
Uターン就職を目指す上で、まず不安に思われる点は採用規模の小ささや選択肢の狭さでしょう。
どうしても大都市圏に比較すると、地方のそれは限られたものになります。
しかし実際には母体となる求職人口自体の大きさが全く異なりますから、比率で考えるとそこまで不安視する必要はありません。
かといってどこでも余裕と高をくくっていると、人気が集中する地方の超優良企業などでは、想像以上の激戦となっていることもしばしばですから、出足が遅れたことを長く後悔することにもなりかねません。
自分の興味・関心がある企業については、やはり早くから情報を収集し、十分な研究を重ねた上で挑むことが大切です。

成功の鍵、情報収集のコツをつかむ!
地方でも都心とさほど変わらない働き方が可能になるなど、近年のネットワークインフラの発展により、時間や場所にとらわれず、自分らしく働くスタイルの実現が容易となって、地方ビジネスの可能性も大きく広がりました。
このインターネットの利活用で、かつて遠隔地での就職を目指す場合に大きなハードルとなっていた情報収集は、ぐっと効率的に行いやすくなっています。
とはいえ、やはり現在の拠点から離れた場所の最新情報を細やかに入手し、チェックするには、十分なアンテナと窓口を確保するため、それ相応の工夫も必要です。
地方企業の場合、人材は求めているのだけれど、そもそもその求人規模が小さいことから情報サイトには登録を行っていなかったり、Webサイトを保有していなかったりといったケースがあります。
これらについてもうまく採用情報を入手するには、地元自治体のネットワークや各種サービスを活用するのがおすすめです。
都心部に設置された地方就職の支援センターや、移住促進センターに足を運んで情報を入手したり、自治体の公式サイト内にある移住・定住支援のポータルサイトサービス、地元企業とのマッチングサービス、Uターン就職希望者向けセミナー・説明会などを積極的に活用したりして、遠隔地ならではのハンディを克服するようにしましょう。
家族にも協力を仰ぎ、地元新聞をチェックしたり、就職関連の資料を送ってもらったりすると、情報の収集力・活用力もアップするでしょう。
可能であれば、地元で進学した友人・知人と連絡をとり、情報ネットワークとしてもっておくようにすることや、同じようにUターン就職を目指す仲間との情報交換ができる体制を整えておくことも役立ちます。
スケジュール調整を上手に!
情報収集に加えてとくに注意したいのは、スケジュール調整です。
Uターン就職の場合、どうしても地元と行ったり来たりする機会が多くなり、現在の居住地付近で就活を行うのに比べ、ひとつの移動、説明会への参加などでまとまった時間がかかってしまいます。
インターンシップからセミナー・説明会、試験・面接の実施など、活動が本格化してくるに従い、スケジュール調整に困難を生じやすくなります。
とくに近年は短期決戦化が進んでいますから、移動に長時間を要する場合などでは、スケジュール上間に合わない、2つがバッティングしてしまうといったことも起きてくるでしょう。
できる限り、企業の選考スケジュール情報を早めに取得し、交通手段と合わせてアクセスをよく確認、綿密な計画を練っておくこと、優先順位をきちんとつけておくことが大切です。
どうしても調整できない場合には、その場で諦めてしまうのではなく、「大変勝手なお願いで申し訳ありませんが、別の日程でチャンスをいただけないでしょうか」とお願いしてみましょう。
誠意と熱意をもって伝えれば、調整してもらえる可能性は十分にあります。
また現役学生の方は、できるだけ時間に余裕が生まれるよう、3年までにとれる限りの単位をとっておく、どうしても4年でとる必要のあるものは曜日をまとめておくなど、授業スケジュールの工夫と合わせた準備を進めておきましょう。
体力と費用を賢く節約!
スケジュール調整とも関係しますが、Uターン就職の活動では移動が長距離となり、それに伴った費用や体力が通常より要求されます。
効率のよい計画や便利なサービスの活用で、これらを節約していくことも重要なポイントです。
航空会社や鉄道会社、バス会社では、学割などの制度を設けているケースが多く、鉄道・バスの場合、一定期間が利用し放題となるフリー切符を提供しているケースもあります。
利用する可能性のある交通各社のホームページをチェックし、事前に使えそうなものをピックアップ、スムーズに購入できるよう調べておきましょう。
長距離移動で交通費を節約したいなら、夜行バスも有用です。
昨今は設備の充実したタイプも増えていますから、自分の気になる点と合わせた向き不向き、体力面を考慮しながら、無理をしすぎない範囲で利用を検討してみましょう。
実家が利用しやすい場所にあれば理想ですが、地方中心部から離れている場合などでは、宿泊費や飲食費がかさみがちなのも多く聞かれる悩みです。
ビジネスホテルなどで就活プランを提供しているところや、街中の「就活カフェ」を活用しましょう。
就活カフェでは、無料または格安な料金でインターネット環境や充電器、更衣室なども利用でき、飲食費を抑えながら、あらためて情報を確認するなど、ありがたいサービスが整っています。
よく足を運ぶことになる駅周辺や、気になる企業の説明会会場、面接会場などの周辺エリアに該当するスポットがないか、探しておくことをおすすめします。
いかがでしたか?ハンディと感じられる点もありますが、Uターン就活者には、都心で経験したこと、学んだことをもとに、地元就活者とは違ったアピールを行える強みも大いにあります。
入念な準備と工夫で挑めば、過度に不安視する必要はありませんから、ぜひ積極的にチャレンジしてみてください。
(画像はイメージです)