目次
社会人の基本!言葉遣いは面接でも重要
年齢も立場も異なる採用担当者と初めて接する面接では、質問に対する回答の内容はもちろんですが、それを表現する際の言葉遣いや受け答えのマナーも非常に重要なポイントになります。
面接シーンに限らず、初対面の人やあまりよく知らない人が話す話し方、使う言葉で、その人がどんな人なのかおおよそのイメージを固めてしまうことは誰しもあるでしょう。
それは言葉というものが、良くも悪くもその人そのものであり、使っている本人が考える以上に、歩んできた道のりや日頃の生活、思想、性格などを反映するものだからです。
もちろん、通常の人間関係における交際では、長く接する中で、初めに抱いたイメージとは随分異なる人だったと感じるようになることもあります。
しかし面接となると初対面の印象こそ重要!振る舞いや身なりとあわせてマイナスの印象を与えないよう、またむしろ好印象となりやすいように対策をとっておきたいですね。
そこで今回は面接でつい使ってしまいがちな敬語の誤り、かえって失礼にあたる言い回しなど、注意したい点を確認していきます。
間違えて覚えていないか、日頃何気なくバイト先などで使っていないか、この機会にチェックしてみてください。

何でも「です」・「ます」?その言い方って本当に敬ってる?
敬語には、相手を上の立場にして敬意を払う「尊敬語」と、自分や身内のことをへりくだって表現することで相手を敬う「謙譲語」、物事を丁寧に表現することで相手に敬意を払う「丁寧語」の3種類があります。
まず、この丁寧語の「です」・「ます」を最上級の敬語であるかのように考え、あらゆるところで使ってしまうという人がありますが、これは正しくありません。
まず名前を名乗るときも、「~です」ではなく「~と申します」と表現しましょう。
自分のことならば「見ます」ではなく「拝見します」、「知りません」ではなく「存じ上げません」、「言いましたように」は「申し上げましたように」、「行きます」は「うかがいます」、「参ります」といった表現が正しい言い方です。
相手となっている面接官やその他会社の人など、敬うべき対象の人のことならば、「思う」は「お考えになる」、「見る」は「ご覧になる」、「言います」は「おっしゃる」、「行く」・「いる」は「いらっしゃる」が正しい表現の尊敬語ですね。
間違えている人が多い表現では、「了解しました」や「大変参考になりました」といったものもあります。
「了解しました」は丁寧なようですが、自分と同等か目下に使う言葉で目上の人には失礼ですから、「承知いたしました」と言うべきです。
「参考」も相手の言ったことを自分の足しにする、利用してあげるといったニュアンスが強くなるため、上からの目線となりNG表現と考えられますから、「勉強になりました」と言い換えて感謝の意を伝えるようにしましょう。
敬うのは誰?よくある間違い敬語
両親をはじめ親族や母校など自分の身に近い人は、就職面接のようなオフィシャルな場において、下げるべき対象です。
「母が~とおっしゃっていました」ではなく「母が~と申しておりました」が正しいですね。
相手が誰なのか、その人の地位や立場と自分はどういう関係にあるのか、そのことをよく考えて尊敬語や謙譲語、丁寧語を使い分けていくことが大切です。
尊敬語と謙譲語を混同して使う間違いも散見されます。
例えば「おうかがいいただければ幸いです」は「お越しいただければ幸いです」の間違いです。
「うかがう」は謙譲語で自分が「行く」ときに使う語であり、目上の相手の動作には用いません。
同様に「~様はおられますか?」と尋ねるのも「おる」が謙譲語ですから不適切で、「いらっしゃいますか?」と言うべきですね。
また、近年増加している“さ入れ敬語”も用いないようにしましょう。
「する」の謙譲語である「させていただく」を過剰に応用した間違い例で、通常動詞に「させていただく」を合体させた、「見させていただく」、「送らさせていただく」、「話させていただく」、「行かさせていただく」などが代表的なものです。
いずれも正しくは「見せていただく」または「拝見する」、「お送りいたします」、「申し上げます」、「参ります」または「うかがいます」と言います。
「させていただく」自体を多用する傾向も強くなっていますから、おかしな使い方になっていないか、必要以上に多くなっていないか、自分の言葉遣いを見直してみてください。
なお「よろしかったでしょうか」、「こちらになります」といったいわゆる“バイト敬語”も使用は避け、「よろしいでしょうか」、「こちらでございます」と表現しましょう。
敬称や相手の表現法
相手となる会社の人に敬称をつける場合、役職の後ろに「課長様」、「部長殿」などとしているケースがありますが、これは正しくありません。
「課長の~様」といった言い方に直しましょう。
御社や貴社といった言葉も使うようになりますが、正確には「御社」が話し言葉で用いるもので、「貴社」は書き言葉で用いるものです。
よって面接で話す際には「御社」を用いることをおすすめします。
いかがでしたか?ほかに「そうですね・・・」と言いつないで考えたり、「なるほど」と相槌をうったりするのは、目上の人に対して失礼な行為にあたります。
丁寧なように感じている人、つい癖で言ってしまうといった人は注意しましょう。
正しい敬語が使えることは、社会人として求められる基礎スキルであり、これから先のどんなシーンにおいても、身につけておいて損のないものです。
ぜひこの機会にしっかり身につけ、相手に不快感や非常識な印象を与えないようにしましょう。
(画像はイメージです)