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面接官が知りたいことは
面接官は転職希望者を面接するとき、この人は長く続けられるか、業務にきちんと取り組めるか、将来的に会社に貢献できるかを見極めようとします。
そこで参考にするのが前職を辞めた理由や転職を決めた理由です。
それらを質問することで、応募者が仕事において重視していること、目指していることが退職理由を通して知ることができるからです。
退職理由や転職理由を聞かれたら、自分の退職理由を相手に伝わるように説明する必要があります。
ここでは一般的にNGと受け止められる退職理由について取り上げ、なぜそれがNGであるのか、どうしたらNGでなくなるのかを説明していきます。
「会社都合の退職」は、面接では不利
履歴書に書く退職理由には、「自己都合」と「会社都合」の2つがあります。
失業保険の受給を考えると、会社が倒産した、会社の都合で解雇された、などのケースが当てはまる会社都合の方が有利であるとされます。
失業保険の受給がすぐ始まる上に受給期間を延長することもできるからです。
会社都合による退職は特定受給資格者となりますが、倒産、解雇以外に、最近ではパワハラやいやがらせが理由となるケースも増えています。
また、本人や家族の体調不良や妊娠・出産、移転などの場合も特定理由離職者として失業保険の受給資格が認められています。
しかし、面接を受ける場面では、再就職をするときに能力面に疑問を抱かれる可能性がないとは言えません。
自分の退職理由を客観的に見たとき、応募企業にどのような印象を与えるのか、冷静に把握しておくことが大切です。
会社都合、ましてやパワハラなどというのは十分に正当な退職理由ではありますが、新しく採用する企業は、応募者を不安に思うこともあります。
というのは、パワハラが自社に皆無とは言い切れず、もし同じ様な状況になったとき、応募者は辞めてしまうのではないか、と考えるかもしれません。
しかし、不利に思えるからと言って、本来の退職理由をごまかしたり、嘘をついたりすることはNGです。
面接で矛盾点が生じればかえって不信感を抱かれますし、後で嘘が発覚すれば問題になるなど、結局自分に返ってきます。
自分の転職理由を点検する
実は履歴書や職務経歴書に必ずしも退職理由を書かなくてもよいのですが、その分、面接で理由を聞かれた場合に、その場できちんと説明する必要が出てきます。
口頭での説明が得意でない人は、履歴書に自己都合なら「一身上の都合により」、会社都合なら「会社都合により退職」と簡潔に書き、職務経歴書に退職に至った事情を詳細に説明しておくとよいでしょう。
しかし、職務経歴書に退職理由を書くときには、前職に批判的に書きすぎないこと、自己正当化しすぎないことに注意してください。
さらに、職務経歴書を書いている段階で、応募先の選択に一貫性があるかを確認し、面接で転職理由をどのように述べるか考えておきましょう。
NGの退職理由をポジティブに
面接での説明の仕方によってはNGな退職理由をポジティブな印象に変えることができます。
NGとされやすい退職理由を以下に挙げ、面接官に納得してもらえる方法をあわせて紹介します。
「体調不良」は業務に支障があることやストレス耐性が心配されるため、応募先で敬遠されがちです。
健康状態が崩れた原因を理解していることを示し、現在は完治している、または管理できていると説明することが求められます。
「人間関係」のトラブルはどこででも起こりうるため、前職でうまくいかなかった理由を客観的に見ることができ、反省していることを具体的に述べ、今後にどう生かせるかなど改善点を示すとよいでしょう。
「待遇」は残業や給与などの労働条件が不満であった場合、残業時間が月何時間であったかなど具体的な数字で自分の感覚を示します。
環境をどう改善したいのか、残業時間が減ったら何をしたいのかなどとポジティブな姿勢を見せながら述べましょう。
面接では退職理由が不利であることを意識しすぎず、むしろ、ネガティブな印象をポジティブに変える工夫を試みましょう。そうすることで面接官の受ける印象も変わります。