就活において学歴は関係ない
概して、学歴は就活に関係なく、選考に影響を与えないといわれます。
しかしながら、就活において学歴が有利に働く場合があることも事実です。
では、学歴はどこから有利になるのでしょうか?

就活における院卒の強みは専門性
大学院(修士・博士)に進学・卒業した場合、大卒と比べ、就活における選択肢の幅が広がります。
特に、理系学部では顕著です。
文部科学省によると、大学院は学校教育法第65条第1項にて以下のように位置付けられています。
「大学院は、学術の理論及び応用を教授研究し、その深奥をきわめ、又は高度の専門性が求められる職業を担うための深い学識及び卓越した能力を培い、文化の進展に寄与することを目的とする。」(文部科学省HPより)
つまり、就活における院卒の強みは、特定分野の専門性と思考力です。
したがって、大学院にて習得した特定分野の専門性が仕事に活かせる場合、院卒は就活に有利になるといえます。
また、大学院では、研究活動を通して観察力、考察力、思考力、判断力が磨かれます。
研究に付随する文献の読解、研究論文の執筆より語学力、読解力、表現力が身に付きます。
思考力や問題解決力はビジネススキルであり、仕事をするうえで必要不可欠です。
それゆえ、院卒は特定分野の専門性に加えて、思考力や問題解決能力が就活において有利に働くといえます。
例えば、院卒の初任給は専門性や能力が反映され、大卒と比べて平均月給で数万円高くなります。
理系学部と文系学部の院卒はどのように有利になる?
理系学部の場合、修士卒を採用条件とする大手企業は少なくありません。
大卒は選択肢の幅が狭く、多くの企業では事務職や営業職に限られます。
技術職や研究職には特定分野における高い専門性が求められ、なかでも、機械系専攻(鉄道、自動車、造船、航空機など)は修士卒が有利です。
また、指定大学院の卒業資格が実務経験とみなされ、一級建築士などの実務経験を伴う資格の受験資格が得られます。
建築専攻の院卒は建築業界(ゼネコン、設計事務所など)にて重宝され、一級建築士の有資格者は即戦力として高く評価されます。
一方、文系学部の就活において、理系学部ほどに特定分野の専門性は求められません。
その為、企業において文系学部院卒の専門性を活かせないなどを理由に、院卒が不利になることもあります。
しかしながら、経済・経営専攻は分析力やプレゼンテーション能力がリサーチやコンサルティング業界にて活かせます。
また、出版業界では、文系学部院卒の割合が高いです。
企業が大学院の研究活動を通して培ったスキル・能力(思考力、問題解決力、表現力、読解力など)を高く評価された場合、文系学部の院卒は、大卒と比べて就活に有利になると考えられます。
(画像はPixabayより)